桜の舞う世界
目が慣れてきたので
彼女は辺りを見渡した
「………………っ」
なに、これ……
「今までの村とは全然人が少ない」
それに妖気が漂っている
少し村を歩くと人が立っていた
声をかけてみる
「あの、ここの村人ですか?」
「はい、貴方は?」
「旅の者です」
「旅をしているのかい。それならこの村を今すぐ立ち去った方がいい」
「なぜですか?」
「この隣の村には妖の集団が居てね、度々この村に来るんだ…そのせいで私の祖母が殺されてね。悪い事は言わないすぐ立ち去りなさい」
「その話…詳しく聞きたいです」
「怖くないのかい?」
「なぜです?」
「ここの村人はみな妖を恐れて出て行った、今村にいるのは私と私の子供だ」
「妖は見慣れているので恐れるなどございません…私なら妖を退治できます」
「ほんとかね?……それでは賭けてみよう君のこれから成し遂げる何かがあると信じて」
「ありがとうございます……」
「さっきも言ったが妖は隣の村にいる。退治するにはまず村に行った方がよい」
「その隣の村には人がいるのですか?」
「その可能性はある。だかそれは低いだろう…その村から逃げてきた村人が言っていたのは妖に食われる人間の姿が目に焼き付いて離れないと言っていた」
「それは……」
その光景を考えたく無かった
「そうですか…隣の村に行ける地図をください」