桜の舞う世界
「何したの?」
「したんじゃない。あの妖が自分で動いた」
「自分で?」
「あぁ、俺は息を吹きかけただけ」
「苦しそうにしてたよ」
「それは寒さに耐えられなかったからだ」
ほへ?
シズキは続けて言う
「巫女よ、苦しそうしていたのは凍えていたから。そもそもあの妖は……」
「なに?」
「あの妖は、村中どこへ探しても丈夫な木が見つからないから仕方なく雪に隠れていた所だな」
「木を探していたの?」
「あぁ、ここの村の木には毎年冬になると妖どもがこぞって集まるのだ」
「寒さを耐えるために…」
「そうだ、だけど今年は……」
妖が襲ったから木がなくなった
妖も人間も
「みんな命がけなのね」