桜の舞う世界







「分かりました、失礼します」








メイドは頭を下げ部屋から退出した











「お母様……」





初めてお母様の泣き顔を見たわ









初めて、お母様の笑顔を、美しい笑顔が見れた










でも、お婆様が……亡くなってしまった









「素直に喜べないわ…」








はぁ………










最近、ため息が多く出るわね













「ため息は禁物、よね」












気分転換にベランダへ出る












夜中にもなると寒さが増すのね










「寒いわ…」






もう一度上着を着ようと袖を通す













すると、白い何かがポケットから落ちた









「これは、お婆様から私への手紙だわ…!」






お母様の事でいっぱいで忘れていたわ。











「お婆様からの手紙…」














緊張しているからなのか、





手紙を開く動作さえスローモーションに見えた























< 299 / 310 >

この作品をシェア

pagetop