桜の舞う世界
中へ入ってみる
内装はいつも通り
いつもと違うのは余り会話をしていない相手と二人きりというところだけ
「自己紹介が遅れてしまいましたね」
碧兎様が言った
「そうですね」
だから私も笑顔で返す
「僕は縁鏡寺財閥の長男縁鏡寺 碧兎です
碧兎っと呼んでくださいね」
「碧兎様…でいいですか?」
「んー…慣れてきたら様をつけなくていいよ」
「分かりました碧兎様」
様をつけると碧兎様は困ったような顔をする
「私は希棐財閥の長女希棐 桜湖です
私の事は桜湖っと呼んでください」
「桜湖って呼ばせていただきますね」
「はい」
「桜湖」
ドキッ
「何でしょうか?」
「婚約者なのだから僕の前では敬語を使わないでほしいな」
「それなら碧兎様もそうですよ?」
「桜湖は面白いな〜分かった僕もそうするよ」
「ありがとうござ……ありがとう」