桜の舞う世界
一応ドアを叩く
コンコン
「どなたかしら」
中から聞こえたのはお母様の声だった
「桜湖です」
「お入りになって」
ガチャ……
「桜湖、遅いわね」
「すいません。夜風に当たっていたら遅くなってしまいました」
「気分でも悪いのかしら?」
「いえ、大したことではありませんので」
「そう」
「それより、早く乾杯をしようではないか」
そう言ったのはお父様
「そうですね、遅くなってしまいすみません」
「遅くなってしまうことは良くあることだ」
そう言ってガハハと笑うお父様