桜の舞う世界





「桜湖……」






「はい」




「この話は昔話よ、誰が何のためにこの話を受け継がらせているのは私も知らないわ…
でもいい?たとえ意味がないと分かっていても決してこの話を他人に教えず血を分けた子に時が来たら教えるのです」




「お母様…この話はお父様も知らないのですか」



「知らないわ。これは私の家の代々受け継がれている秘密なの、だから碧兎君にも教えてはならないわ」





「分かりました。お母様」








「あら、こんな時間」




そう言われて時計を見ると






2時24分





「桜湖、私はこれから仕事に行くわ」





「分かりましたお母様」





「それではもう、自室へ戻りなさい」






「はい」






ドアを開けてお母様の部屋を出ようとする




「お母様お気をつけてください。では失礼します」







パタンッ










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