鬼上司は秘密の恋人!?
「ゆきー! おそいよー!」
腕の中に飛び込んでくる祐一を受け止めて、その小さな頭を撫でる。
「ごめんね、遅くなって」
「あたらしいおしごと、たいへんだった?」
「んー、ちょっとね」
「そっかぁ」
私の言葉に大人びた相槌をうつ小さな男の子。
ふっくらとした白い頬に、よく動く唇。少し癖っ毛の柔らかい髪に、長い睫毛に縁取られた丸い大きな瞳。
細い首を傾げてこちらを見上げ、ぱちぱちと瞬きをしてから、もう一度私にぎゅーっと抱きついてきた。
「お迎えが遅くて寂しかった?」
「んんー。へーき」
私のお腹の辺りに額を押し付けたまま、ぐりぐりと頭を左右に振る。
きっと本当は寂しかったんだ。私が迎えにくるのを今か今かと待っていたんだろう。まだ四歳の祐一が、私に負担をかけさせないように強がる姿がいじらしくて、泣きそうになる。
「白井さん、延長保育は七時までだけど、事前に連絡くれればある程度融通聞くから、ひとりで無理しないでね」
幼稚園の玄関でぎゅっと抱きしめ合う私と祐一を見た園長先生が、優しくそう言ってくれた。