鬼上司は秘密の恋人!?
 
「なんだよ、あいつ。人の仕事場に勝手にやってきて、ゆきちゃんをナンパしてんじゃねーよ」

宮越議員がいなくなった途端、そう言って怒り出した『コレクト』の編集者たちに、私は慌てて首を横に振った。

「名前を聞かれただけで、ナンパなんてされてませんよ」
「いや、あれは絶対下心あったね!」
「ゆきちゃん、あんなヤツに騙されちゃだめだよ!」

怒っているというよりは、ただ面白がっているんだろう。
そんな言葉に「気をつけます」と苦笑いする。

「それにしても、宮越議員、最近よくメディアに出てますよね」

私がそう言うと、徳永さんが頷いた。

「来年の夏には参議院選が控えているから、必死なんだろうね」

その言葉に、さっき配られた宮越議員の名刺を眺める。
そうか、これも参院選を見据えた選挙活動の一部なんだ。

「前回の当選がマグレみたいなもんだったから、正直二期目は厳しいだろうなぁ」
「あぁ。『辻立ちの王子様』な」

ぼんやりと名刺を見下ろしていると周りから聞こえてきた言葉に首を傾げた。
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