鬼上司は秘密の恋人!?
「ゆきー? たべないの?」
服を引っ張られ、ハッとした。
慌てて笑顔を作り、不思議そうに首を傾げる祐一に首を振ってみせる。
幼稚園から帰る途中のハンバーガーショップで夕食を買い、自宅のアパートで食べている最中だった。
テレビの中では、綺麗なベテラン女性キャスターがよく通る声でニュースを伝えていた。
「ごめん、ちょっと疲れてぼんやりしてた。ハンバーガー美味しい?」
「んー。ゆきのつくるごはんのほうがおいしい」
そう言いながら、ほっぺたにケチャップをつけてハンバーガーを頬張る姿が可愛い。
「たべおわったら、おもちゃであそんでもいい?」
「お風呂に入りたいから、少しだけね」
「わかった」
本当は時間を気にせず思い切り遊びたいだろうに、祐一は険しい顔で頷き、一生懸命ハンバーガーをかじる。
父親も知らず、四歳になったばかりで母親も失ってしまった祐一。
それでも私を困らせないようにと、言いつけを守りおりこうでいようとする姿に、目の奥が熱くなって口元を手で覆った。
「ゆき、どうしたの?」