鬼上司は秘密の恋人!?
黙り込んだ私を見て、祐一が不思議そうに首を傾げる。
「おしごと、たいへんだったの?」
小さな手が、私の手を握る。
私よりも少し温度の高い、温かい手のひら。
その柔らかさに泣きそうになって、慌てて反対の手で鼻を擦った。
「うん。みんないい人なんだけど、ひとりだけ意地悪な人がいてね」
「そっかぁ。じゃあぼくがたいじしてあげるよ」
「退治って、鬼じゃないよ」
祐一の言葉に吹き出すと、「ゆきにいじわるするやつは、ぼくがせいばいするんだ!」と桃太郎の歌を歌いはじめた。
小さな手を握りしめながら笑う。
悲しいときにも嬉しいときにも握りしめた、由奈の手はもうなくなってしまった。
でも今は祐一がいてくれる。
彼を幸せにするために、私は生きている。