鬼上司は秘密の恋人!?
 

半熟のオムレツのような、とろりとした柔らかい色の夕焼けを見ながら、祐一とふたり手を繋いで歩く。

保育園にお迎えにきた私を見上げて、「ゆき、目があかいよ?」と不思議そうに首を傾げる祐一に、私は苦笑いして首を横に振った。

思い切り泣いたせいか、まぶたは重いけど、気持ちはすっきりしていた。
徳永さんには、石月さんやステートメントもみんなには、私に会ったことは内緒にしてくださいと頼んだ。もちろん、彼が恋しくて泣いたことも。
徳永さんは、『大丈夫。なにか事情があるんでしょ。白井さんのことは、誰にも言わないから』と頷いてくれた。


「ゆきー、きょうのごはんなに?」

ぎゅっと繋いだ手をひっぱられ、下を見て笑う。

「今日は豚汁と豆ご飯とサンマの塩焼きだよ」
「わーい! 豚汁!」

ぴょんぴょんと跳ねながら歩く祐一にひっぱられ、夕日が照らす帰り道をふたりで歩いた。

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