鬼上司は秘密の恋人!?
「はい。簡単なものばかりですけど」
鯖の塩焼きに、ミニトマトのマリネ。
枝豆入りのコロッケ、ミートボール、ちりめんじゃこ入りの卵焼き。
お弁当箱の中にきゅっと詰められたおかずをみて、徳永さんがため息をつく。
「白井さん料理上手だよね。毎朝作るの大変じゃない?」
「いえ、夕食の残りを入れたりして手抜きしてるし、私のはついでなんで」
幼稚園に通う祐一のためのお弁当の残りを詰めているだけだから、自分の分も作るのは大した手間じゃない。
「ついで? 彼氏のお弁当を作ってるとか?」
四歳の甥っ子と暮らしているということは職場では内緒にしているので、首を傾げる徳永さんを笑顔で誤魔化して、いただきますと手を合わせる。
その私の横で、徳永さんも買ってきたコンビニのお弁当の蓋を開けた。
「それにしても、白井さんって本当に真面目に仕事してくれるよね。なんで今までの職場は長く続かなかったの? 白井さんなら、どこの職場でも重宝されそうなのに」
もぐもぐとハンバーグを食べながらそう言う徳永さんに、うつむきながら口を開いた。
「ええと、残業とか休日出勤をお願いされて、断っているうちに職場に居づらくなってしまって……」
「そっか。なんとなくわかるな。白井さんって話しかけやすいし気が利くから、どんどん仕事頼まれちゃうんだろうね」
徳永さんの言葉に、ぎこちなく笑う。
「いえ、私の要領が悪いだけなんですけどね」