鬼上司は秘密の恋人!?
 
「事故にあったのが由奈じゃなく、私だったらよかったのにね……!」
「ゆき……?」

感情的にそう叫ぶと、祐一が戸惑ったように私の名前を呼んだ。
丸い綺麗な目で見つめられると泣いてしまいそうで、慌てて立ち上がり逃げるようにキッチンへ向かう。

キッチンのシンクに手をついて、必死に歯を食いしばる。

由奈を亡くしてから何度も思った。

由奈じゃなく、私が死ねばよかったのに。
そうしたら、祐一は大好きなママと一緒に暮らせたのに。
必要とされているのは、私じゃなく由奈だった。
それなのになんで、私が生き残ってしまったんだろう。

そんなこと考えても無駄だってわかってるのに、どうしても思考が後ろ向きになっていまう自分がいた。
夕食の準備をするふりをしながら、服の袖で顔をごしごしと拭った。




 
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