鬼上司は秘密の恋人!?
「祐一が……」
石月さんの大きな手が私の背中に回る。
不安で震える私の背骨ひとつひとつをなだめるように、優しく背中をさすられた。
「夕食を作っている間に、祐一がひとりで外にでて、どこにいったかわからなくて……」
とぎれとぎれにそう言うと、石月さんが「うん」と低く頷く。
「今日、幼稚園で祐一がお友達とケンカしたって……、祐一がケンカの原因を私に教えてくれなくて、感情的に叱っちゃったんです。きっと、祐一はそれで私のことを嫌いになって、出て行っちゃったんだ……」
言いながら後悔で泣きそうになる。
石月さんの肩に顔を押し付け必死に歯を食いしばり涙をこらえていると、不意に強く抱き寄せられた。
「大丈夫。ちゃんと見つけてやるから」
そして私を落ち着かせるように、耳元でゆっくりとした口調で言う。
「チビがこの辺で知ってるところってどこだ?」
「この辺ですか……? えっと、近くのスーパーか、公園か、幼稚園くらいだと……」
私の言葉を聞いて少し考えた石月さんは、「幼稚園の電話番号分かるか」と聞いてきた。
何度もかけているのですっかり暗記していた番号を伝えると、石月さんがスマホで電話をかける。
私も電話口にでて、祐一がいなくなってしまったことを伝えると、園長先生はこちらには来ていないが、もしいたらすぐ連絡をくれると約束してくれた。