暴走族に恋をする。



黒崎くんが大津くんを見ると、大津くんの顔から笑みは消えた。


「桜子ちゃんのこと、利用してんなよ。」


………え?


「それの、なにが文句あんの?
桜子が俺らを利用してんだから、お互い様じゃねーの。

桜子言ったよな。
利用できるものは利用する、って。

勉強を教わるから俺らといる
それなら俺も利用する。
たったそれだけのことだろ。」


「は?
全然利害が一致してねーだろ。
桜子ちゃんにどんだけ害があると思ってるんだよ。
今だって絡まれてたんだよ。
わかってんのかよ。」


「だから快斗と一緒に来いって言ったんだろ。」


「………え?」


「お前は俺がダチを見殺しにするようなやつだと思ってたのかよ。
なのに桜子が絡まれたってことは、快斗がちゃんと送らなかったからだろ?
お前が今日教習に行くことは知ってたけど、どうせ通り道だろ。
逆になんでお前は私服で、桜子が絡まれるようなことになったんだよ。」


黒崎くんがそういうと、大津くんは黙ったのだけれど………


「あのー、私よくわかんないんだけど…どういうこと?」


私がそう聞くとゆっきーさんが口を開いた。


「だから、族の間で桜子は今蓮の女ってなってるってこと。」


「え!?え、なんで!?」


「蓮ってめっちゃモテるんだよ。
だけど蓮って女に全く興味なくて。
そんなときに桜子が現れたってこと。
だからちょうどいいや、みたいな感じで勝手に女出来たからってまわりに言いふらしたってとこかな。
たったそれだけのことでレディースのやつらと手組まなくて済むしな。」


「………はぁ…」


「だけど、そのかわりに桜子は蓮を狙ってたレディースたちに憎まれることになるし、
ブラスパを狙ってる族なんかも蓮の弱味であろう桜子を狙うことになる。
だから桜子には害が多いってこと。」


………なんだそれ。
激しくめんどくさいことになってないか…?


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