暴走族に恋をする。
それからテストを受け、その後は普通に数学の授業。
それから英語と世界史を受ける。
私はこの人の授業は嫌いではなかった。
………なのに、今はどうしてこんなにつまらなく感じるんだろう。
どうしてこんなに分かりにくく感じるんだろう。
この人の授業は、なにか物足りない。
「では今日のテストを返して今日は終わりです。」
………面白くない授業は、時間が過ぎるのが遅くて仕方ない。
大津くんに教わってるときはあんなに楽しいのに。
「天宮さん。」
「…はい。」
「最近頑張ってますね。
この調子で頑張ってください。」
ほら、また100点。
大津くんたちに教わるようになってから、ここの勉強が簡単に思えてしかたがない。
「はい。
ありがとうございました。」
答案用紙を受け取り、席に戻ろうとしたとき、塾の外に大津くんが待っている姿が見えて、私はすぐにそれを鞄へしまい、外へ出た。
「あ、お疲れさま!」
そういって私に向ける笑顔は、本当に甘い。
とろけそうなくらい、目をくしゃっとする。
そんな彼の笑顔が、いつの間にか大好きになってしまっていた。
「あ…うん。
大津くんも教習所、お疲れさまです。」
「ありがと!帰ろっか。」
「………うん。」
ちょうど塾生たちな帰る時間帯。
塾の中でも極めて地味な私が大津くんと話していることに、多くの人が驚いているのが
見なくてもわかってしまう。