暴走族に恋をする。



「あの、大津くん。」


「ん?なに?」


「今日の数学のテスト、満点でした。大津くんのおかげです。
ありがとうございます。」


「え?そんなこと?
それは桜子ちゃんの頑張りだから、俺は関係ないよ。」


「そんなことないです。
大津くんの教え方がとても上手だからです。」


「じゃあ、桜子ちゃんの理解力がすごくいいからかもしれないよ?」


「それないです。
………それなら、大津くんに教わったりしません。

私は、大津くんでないとダメなんです。」


私がそういうと、大津くんは私を見て固まった。


………よくよく考えると、私とんでもないこと言ってないか?
大津くんじゃないとダメって…なんか………


「や、やばい!!
今の録音しとけばよかった!!」


「………うるさいです。
こんな時間に大声出さないでください。近所迷惑です。」


「俺も、彼女にするなら桜子ちゃんじゃなきゃダメだよ!!
………って!ちょ、待って!」


超真面目にそんなことを大津くんがいうから、思わず顔に熱が集中した。

紅潮した気がしたから、バレないように早歩きに必死になってしまったくらい……


少し前までそんなことを言う大津くんをスルーできてたのに、今ではまったくスルーできていない。

その言葉は本気でいっているのか気になってしまう。


そして、いつの間に私はこんなに大津くんに惹かれていたのか……
本当に本当に、完全に自覚と言うものがなかった。


気づきたくないと自分の想いから目を背けてきた。

………なのに、いつの間にか私はその想いを誤魔化すことが出来ないくらい
大津くんを好きになっていた。


猫を育てている大津くんに、落ち着いた雰囲気の大津くん
優しく、甘く笑う大津くん

学校では決してみることの出来ない大津くんをたくさん見て
………時たま見せる真剣な表情に

私の心は奪われていた。


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