暴走族に恋をする。
俺は隣のやつは放っておいて、教室に入って鞄を机にかけ、椅子に座った。
誰もが俺が来たとわかるくらい、乱暴に。
そしてスマホをとりだし、それから視線を離さなかった。
モテてる桜子ちゃんを見ていたくなかった。
「おう、快斗!はよ!」
だから当然、隣の桜子ちゃんに集まる男たちも俺に視線が来るわけで。
「なぁ、見ろよ快斗。
天宮さんめっちゃかわいいんだけど!」
……知ってるわ。
「最初からそれで来ればよかったのに~」
「なんであんな地味にしてたわけー?」
隣で騒ぐ男たちがうるさくて
……俺にはあんなに強気な桜子ちゃんはオロオロするだけで
すっげー腹立つ。
「朝からうるせーんだけど。」
おかげで俺の機嫌は最高潮に悪い。
「どうせ、注目浴びたいからじゃねーの?」
俺のその言葉に、そこの男たちの視線が集まった。
「最初地味にしておいて、物静かな印象つけといてから実は私かわいいんです、みたいにしといた方が注目集まるし男からモテるだろ、的な。」
イライラが止まらない俺の口からは思ってもいないことがポロポロとこぼれていく。
謝ろうなんて考えてた俺はバカだったんじゃないかとさえ思えてくるくらい、俺はイライラしていた。
俺だけに見せててほしかったかわいい姿とかわいい笑顔。
俺からのお願いはぜんっぜん聞いてもらえないんだな。
「おい、快斗…」
俺をここまで走らせたこいつも俺のところに来て、たぶん俺のことを止めようと話しかけてくるけど、俺はもうそんなことでは止まらない。
もはや軽く笑えてくる。イラつきすぎて。
「…魔性の女だったってことじゃね?」
と、とどめまでいれた。