暴走族に恋をする。



「……おじさん…」


ドアのところには、快斗のおじさんが立っていた。


「話は聞かせてもらいました。
……こんにちは、天宮さん。」


「大津さん…どうして…」


え……知り合い?
お母さんと快斗のおじさんが…


「実は快斗は私の息子なんです。
じゃなきゃ、桜子さんが事故に巻き込まれそうになったなんて、お伝えできないですから。」


え?え??
どういうこと…?

おじさんは私のお母さんだって知ってたってこと?
っていうか、なんで知り合い…?


「……大津さんの、お子さんですか…」


「そうです。
不束ものですが、最近は桜子さんの影響を受けまして、珍しく勉強にも力をいれ始めたんです。」


…力を入れ始めたんです、って…
前まではそんな手抜きだったってこと?
それで首席入学したってこと?

……あなたの子供の頭はいったいどうなってるんですか…


「妻が言うように、快斗が桜子さんを初めて家につれてきたとき
こんなに素晴らしいお嬢さんがいるのか、と思ってしまいました。
本当に非の打ち所がないくらい、礼儀もしっかりしていて。

さぞかしいい躾を受けてきたんだな、と関心もしたものです。
うちは男二人、本当に自由な育ち方をしたので。」


……まぁ、それは確かにそうかもしれない。
快斗も自由人だけど、お兄さんも快斗とかなり似たところがあるし…


「……桜子さんと一緒に食事をしたとき、桜子さんはとても嬉しそうに食事をしていました。
具体的にどうとは言えないんですが…本当に楽しそうで。
その時は、楽しんでくれてるんだな、としか思いませんでした。

…ただ、ご両親の話になると、今度は寂しそうな、辛そうな、困ったような表情を浮かべました。

私にはその表情の意味が、わかりませんでした。」


……そう、だったかな…
あんまり覚えてないというか、無意識……



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