暴走族に恋をする。



━━ということで、私たちもご飯タイム。
黒崎くんに「俺に命令してんじゃねーよ」なんて言われたけど、ちゃんと買ってきてくれたしね。


「…ってかさ、桜子ちゃん。塾は?」


「え?あー、快斗は寝てたのかな。
私ね、しばらく塾はお休みすることになりました。」


「え!?」


「それで、テストで10位以内に入れたら、そのまま塾はやめていいってことになって。
今の私じゃなかなかの高いハードルだけど、高ければ高い方が乗り越えたときの達成感もあるしね。

だからまぁ私なりに頑張ってみようかなって。

こんなに勉強が楽しく思えたのは初めてだから。
だからみんな、よろしくね。」


みんなとなら、大丈夫だよね。


「でもねぇ、桜子ちゃん?
俺と勝負してるんだから、学年10位なんて低すぎると思うよ?
俺は学年トップなんだからね?」


…そうだった。
この人と勝負してる上に、学年トップだったんだ…


「……快斗がバカになってることを願う。」


「そんなこと言ってると数学教えないからね。」


よし、ご飯食べよう。お腹すいた。


「…あれ、パスタ?私が?なんで?
隼斗さん、ご飯間違えてますけど。」


隼斗さんはなぜかハンバーグ弁当。
絶対こっち食べたいでしょ、本当は。


「お前毎日肉食ってたら太るぞ。」


「パスタだって太るのは一緒じゃない。」


まぁ嫌いじゃないけどさ。
パスタも久しぶりだし…


「……でも。これでお腹いっぱいになれる気がしない。」


「桜子ちゃんって本当、意外と食べるよね。」


「他に楽しみってないし。」


「俺なんてこれだよ?ご飯。
もはや楽しみひとつ奪われてるわ。」


「はは、仕方ないよ。
でも食事制限はされてないんでしょ?」


「まぁ特にはね?」


なら今度はフルーツでも持ってこようかな。



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