暴走族に恋をする。



「で、なんで連れてきたんだよ。」


そういうのは、いちばんヤバそうな黒崎蓮。
見るからに、関わってはいけないオーラを放っている。


「あ、そうそう。
こっちきて。」


そういって大津くんはまた私の手を引っ張って、社長の奥のドアを開けた。


「……どうして社長室の奥が秘書室…?」


普通逆でしょ、絶対。
でもここは臭くない、いいね。


「細かいことは気にしないでよ。
えーと…
さーくーら。」


「……え?」


さくら…?


大津くんの声に惹かれて、机の向こうからきたのは


「え……」


入学式の日のあの猫だった。


「どうして…」


「だって、あのままだったら死んじゃうでしょ。
だから俺が拾ったの。あのあと。

なー、さくら。」


「……さくらって、名前?」


「あぁ、うん。
俺の母さんが名付け親だけど。
あの公園、桜めっちゃ咲いてたじゃん。
だからなんだと。」


「へぇ…」


「ん、抱く?」


「……うん。」


私がそういうと、大津くんはソファに私を座らせて、膝に猫を置いてくれた。


「……おっきくなったね。」


たった2週間なのに、こんなに変わるもの?
猫の成長って早いんだなぁ……


「まだ予防接種が全部終わった訳じゃないから外には出せないし、たまにここに連れてくんの。

家に誰もいない日とかね。」


「……そうなんだ。」



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