次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「じいさんは喜んでいるさ。君は三日月今日子の孫なんだからな」
なんだろうか。三日月今日子の孫、なんて聞きなれている言葉なのに、どうしてかは分からないが、このときは胸がちくりと痛んだ。
「俺には両親がいない」
彼はちらり、とこちらを横目で見ていきなり話し始めた。
「ばあさんも早くに亡くしてるから、じいさんが忙しいながらも親代わりに俺を育ててくれたんだ。だから、じいさんの望んでいることは叶えてやりたい」
「だからって」
信号が赤になり車が停まったと同時に、彼は私の顔をまっすぐに見つめた。強い眼差しが私を射抜く。
「君は結婚になにを求める?」
だからか、いきなりそんなことを聞かれても、私はとっさに言葉が出なかった。そして信号が変わり、再び車が発進する。
「俺のことを気遣ってくれるのは有難いが、こっちはかまわないと言っているんだ。あとは君の問題だろう」
私の問題。彼の言葉で私は黙りこくった。そもそも彼とお見合いしたのは、つい先日のことなのだ。だから自分の気持ちに向き合うことができていなかった。そのことを読んだかのように宝木さんは続ける。
「なにも今すぐ結婚しろとは言わない。考える時間が欲しいならこちらも待つ。だから、よく考えて俺と結婚することを選んで欲しい」
男性に、ましてや宝木さんみたいな人にこんなことを言ってもらえるのは、ものすごく貴重なのかもしれない。男性経験がほとんどない私にとっては尚更だ。
ここで舞い上がってしまえたらいいのに。でも、なにも響いてこない。私は、どうしたいのだろうか。
隣で前を向いて運転する彼の整った横顔を見つめたままでいると、気づけば総合病院に着いていた。
なんだろうか。三日月今日子の孫、なんて聞きなれている言葉なのに、どうしてかは分からないが、このときは胸がちくりと痛んだ。
「俺には両親がいない」
彼はちらり、とこちらを横目で見ていきなり話し始めた。
「ばあさんも早くに亡くしてるから、じいさんが忙しいながらも親代わりに俺を育ててくれたんだ。だから、じいさんの望んでいることは叶えてやりたい」
「だからって」
信号が赤になり車が停まったと同時に、彼は私の顔をまっすぐに見つめた。強い眼差しが私を射抜く。
「君は結婚になにを求める?」
だからか、いきなりそんなことを聞かれても、私はとっさに言葉が出なかった。そして信号が変わり、再び車が発進する。
「俺のことを気遣ってくれるのは有難いが、こっちはかまわないと言っているんだ。あとは君の問題だろう」
私の問題。彼の言葉で私は黙りこくった。そもそも彼とお見合いしたのは、つい先日のことなのだ。だから自分の気持ちに向き合うことができていなかった。そのことを読んだかのように宝木さんは続ける。
「なにも今すぐ結婚しろとは言わない。考える時間が欲しいならこちらも待つ。だから、よく考えて俺と結婚することを選んで欲しい」
男性に、ましてや宝木さんみたいな人にこんなことを言ってもらえるのは、ものすごく貴重なのかもしれない。男性経験がほとんどない私にとっては尚更だ。
ここで舞い上がってしまえたらいいのに。でも、なにも響いてこない。私は、どうしたいのだろうか。
隣で前を向いて運転する彼の整った横顔を見つめたままでいると、気づけば総合病院に着いていた。