次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「直人は……いつから私のことが好きだったの?」

 俯いたままの彼女からぽつり、と呟かれた一言に俺は目を丸くする。掴んでいた手はいつの間にか握り返され、気づけばソファに座って向き合う形になっていた。

「晶子は、いつからなんだ?」

「直人はいつも、質問に質問で返してずるいよ」

 むくれた顔を見せる彼女をなだめるかのように空いている方の手で、頬にそっと触れた。くすぐったそうに目を細める仕草がこれまた可愛らしいのだが、それで誤魔化せてはくれないらしい。

 不満の色を宿した目でこちらを見てくる彼女の唇に素早く自分のを重ねた。そして唇が離れて、彼女がなにかを言う前に先に告げる。

「少なくとも、晶子が俺のことを好きだって思うよりも前だろうな」

「え?」

 彼女の瞳が揺れたのを見て、再度唇を重ねた。自分の中で、はっきりと自覚したのは、あのときだったかもしれないが、本当はそれよりもっと前なのかもしれない。

 しょうがない、恋はするものでもなく、気づけば落ちているもので、こんなことは俺自身も初めてなのだから。

 彼女はどうだったのだろうか。自分が話せば、答えてくれるのだろうか。聞いてみたいようで、自分の話をするのはなんともくすぐったい。とりあえず今は、彼女との口づけを存分に堪能することが最優先だと思った。
 


『When did you fall in love with me?』
―あなたはいつ、私に恋に落ちたの?―
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