ろ う そ く

「とうちゃーく!!!」



梓ちゃんの掛け声と共に、私たちは車から飛び出た。




「綺麗ー。」



神菜は、あまりにも綺麗な景色に見とれている。




海や…。


夏じゃない海は初めてきた。


ザーザーと、波打つ音がする。



少ししゃがんで、海の水を触ってみた。


「…冷たっ。」


秋の海は、思ったよりも冷たかった。



海……武山…。


それまでの感動はどこかへ行き、私はまた思い出してしまった。




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