イケメン富豪と華麗なる恋人契約
(だったらどうして、パパが入院したときに助けてくれなかったんだろう? そうじゃなくても、お見舞いくらい、きてくれてもよかったんじゃないの?)
実父が望月グループの社長の息子というのには驚きだが、それはつまり、命にかかわる重病だったのに、祖父は息子を助けようとはしなかった、ということになる。
あるいは、直人自身が助けを求めなかったのか。
母に近い親戚がいないことはたしかなので、ひょっとしたら、結婚を反対されて駆け落ち……ということも充分に考えられた。
(もしそうなら……お祖父さんだけが薄情、ってわけじゃないのよね)
少しは恨みごとを言いたい気もするが、一度会ってみて、話を聞いてからでも遅くはない。
日向子は気持ちを切りかえたが、それは徒労に終わった。
「ひょっとして、ご存じないのですか?」
朝井が気の毒そうに、彼女の顔を見ながら言う。
「なんのことですか?」
日向子の問いに答えたのは千尋だった。
「あなたにはお祖父さんがいらっしゃいました。――二週間前まで」
彼は実にストレートな言い方をした。その声色には、日向子に対するなんの気遣いも感じられない。それには朝井もまずいと思ったのだろう。
「おいおい、沖くん、ちょっと言い方が……相手は若いお嬢さんなんだ。もう少し、こう、オブラートに包むように伝えるべきではないかな?」
日向子を気遣うように、朝井は千尋に注意する。
だが、千尋のほうは頬を少し歪めて、日向子を見て笑ったのだ。
「それは失礼しました。すでに亡くなられているほうが、こちらのお嬢さんにとっては、喜ぶべき事態かと思いましたもので」
実父が望月グループの社長の息子というのには驚きだが、それはつまり、命にかかわる重病だったのに、祖父は息子を助けようとはしなかった、ということになる。
あるいは、直人自身が助けを求めなかったのか。
母に近い親戚がいないことはたしかなので、ひょっとしたら、結婚を反対されて駆け落ち……ということも充分に考えられた。
(もしそうなら……お祖父さんだけが薄情、ってわけじゃないのよね)
少しは恨みごとを言いたい気もするが、一度会ってみて、話を聞いてからでも遅くはない。
日向子は気持ちを切りかえたが、それは徒労に終わった。
「ひょっとして、ご存じないのですか?」
朝井が気の毒そうに、彼女の顔を見ながら言う。
「なんのことですか?」
日向子の問いに答えたのは千尋だった。
「あなたにはお祖父さんがいらっしゃいました。――二週間前まで」
彼は実にストレートな言い方をした。その声色には、日向子に対するなんの気遣いも感じられない。それには朝井もまずいと思ったのだろう。
「おいおい、沖くん、ちょっと言い方が……相手は若いお嬢さんなんだ。もう少し、こう、オブラートに包むように伝えるべきではないかな?」
日向子を気遣うように、朝井は千尋に注意する。
だが、千尋のほうは頬を少し歪めて、日向子を見て笑ったのだ。
「それは失礼しました。すでに亡くなられているほうが、こちらのお嬢さんにとっては、喜ぶべき事態かと思いましたもので」