難波少女、千佳
12階に住んでて1階まで大体2分かかるから・・・・。あと、3分でここに来るなぁ。


―3分後

・・・・・あ、ついた。ね?ぴったりやろ。



「ごめーん。遅れた。あ、おはようございます。」



うちの隣におるお母ちゃんに気づいてあわてて挨拶してる春ちゃんが面白くて思わず、くすっと笑ってしまった。春ちゃんはそれに気づいて、ほっぺをぷぅと膨らました。本間、おもろいわ
ぁ。春ちゃん。



「すいません。保岡(やすおか)さん、春美ったらもうなくし物してて。それが何だと思います?」



「え?なんですか?」


もう、お母ちゃんたらなに誘いに乗ってんだか。ほんと、大の大人がこんなこと言い合ってて恥ずかしくないんかな‥?って、うわお!春ちゃん怖!おばちゃんのことにらんでるし。


「それがね・・・・。」



「もう!!お母さんやめてよ!恥ずかしいじゃん。っていうか、もう行かなあかんやん。遅れちゃうし。遅れたらお母さんのせいやから!」



春ちゃんはおばちゃんのことをせかしながらエレベーターホールを急いで出て行った。春ちゃんたらぜんぜん小学校のときの入学式と変わってないやん。





「はーるちゃん。機嫌直しいや。今日は入学式やねんで。イケメン君に出会えるかもよ!」





「うん。そうやな、千佳チャンも恋の予感かもぉー。」





「まさか、うちが恋するわけないじゃん!春ちゃん好きな人できたら一番に教えてや。恋の相談乗ったるカラ。」

あんな過去があって、恋愛ができるわけないやん。


「うん。頼むわ。恋愛経験豊富な千・佳・チャン。でもさぁ、ちー恋しないとかいって結局好きな人できると思うよ?」



恋愛経験豊富と聞いたとき、胸がチクっとした。
やめ、やめ。明るくいこ~
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