君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
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「皆でわいわい準備するのって楽しよね」
結衣が絵具で色を塗りながら弾んだ声で言う。
「うん、放課後も皆でいられるからね」
「そうそう!遅くまで作業して同じ方面の子達で集まって帰るのも醍醐味だなって思う」
純粋にこの時間を楽しんでる結衣が可愛くて、つられてこっちも笑顔になる。
「さっき見たんだけどさ、衣装も形になってきてた。凝ったデザインだったよ」
「衣装作れるってすごいよね」
「香里も作れそうだけど」
「家庭科の授業で精一杯だから」
「ふふ、私も」
「……結衣、それもう完成?だったら私まとめて持ってく」
「いいの?ありがと」
色塗りが終わって乾いた装飾物から邪魔にならないために廊下に出しに行く。
壊さないようにとそっと持ち上げて廊下に出ると。
「伊織ー助かる!さっすがイケメン」
「褒めたって何もあげないから。で、ここに置けばいい?」