君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
もうちょっと可愛らしい名前をつけてあげられなかったんですか、先生。
「えぇー!めんどくさい仕事増やすなよ」
「わざわざやんないし。枯れなきゃいいっしょ」
私も、同じ考えだった。
毎日水をあげなくても平気だろう、他の誰かがやってくれるし枯れない程度に世話すれば大丈夫、と。
でも、そうはいかなかった。
先生曰く『日差しをたっぷり浴びせないとな!』ということで春子ちゃんは窓側の日差しがあたる場所に置かれた、んだけど。
そこは私の席の隣だったのだ。
左側をちろりと見れば、春子ちゃんがばっちり視界に入る。
それからだんだん日が経つにつれて、どうしてか春子ちゃんに『お水が欲しいな』なんて言われてるような気分になってきて。
先生は日直が水やりをするようにと言っていたけど、やはりそんな面倒なことを皆がやるわけもなく。
私が覚えてる限り誰かが水をあげている姿を見たことがない。
だからこそ、そういうことを春子ちゃんに言われてる気がしちゃうんだろうな。