君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】



「……春子ちゃん」


古文の授業中、先生が黒板に書いていく白い文字じゃなくて白い花を見つめる。


さすがに、そろそろお世話してあげないと綺麗に咲けないよね。


というか、可哀想だ。本当にこのまま枯らせてしまったらもったいない。


「あとでお水、あげるね」




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――――――………



全ての授業が終わり、放課後先生が買ってある春子ちゃん専用のミニジョウロに水を入れて、サァーッと乾いた土にかけてやった。


若々しい緑色の葉の葉脈をツー、と水滴が伝って土の上へ滑り落ちていく。


……なんか、放っておいてごめんね。小さな罪悪感が胸をついた。


この日から定期的に春子ちゃんに水やりをするようになった。


先生が教室に持ってきたときはまだ蕾だった部分も、今では綺麗に白い花びらを広げていて。


こうして自分が世話した花が綺麗に咲いてくれると、なかなか嬉しいものだ。


「春子ちゃん、お水ですよー」


放課後皆帰っていて教室には自分1人なのをいいことに、春子ちゃんに話しかける。


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