君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】


笑って受け取ってくれたけど、その笑顔は無理して顔に張りつけたように思える。


「……先輩、困ったことがあったらすぐに言ってくださいね。佐々木先輩より頼りないのは事実ですけど」


うちのバスケ部はもとから3年のマネージャーがいないから、佐々木先輩が1年のときからバスケ部をかげから支えていた。


今年私が入って2人になった分、佐々木先輩を助けられるようにと日々頑張っているけど、色々な面で足元にも及ばない。


相談をするなら佐々木先輩の方が適任なのは分かっている。


でも、ほんの少しでいいから力になりたいって思う。


「千尋がそんな顔すんなよ。大丈夫だって」


「……先輩」


「それに千尋が頼りないとも思ってない。助かってますよ、マネージャー」


私が励まされてどうする。何か抱えてるはずなのにそれを表に出さないでいつも通り振る舞おうとするところ、すごいな。


「よし、休憩終わり!集合ー」


「「「はい!」」」


裕貴先輩を含めメンバーはまた練習に戻り、ひたすら走る。


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