君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
困ったように笑ってみせるその表情に、胸の奥がチクリと痛む。失礼します、と言って隣に座った。
「悩みごとですか」
「んー……まぁ、そんなとこ」
「勉強が心配ですか?それとも試合?文化祭の準備手伝って疲れました?」
「そういうわけじゃないけど」
「あ!もしかして好きな相手にフラれました?」
「は?!」
「…………え?」
「え、あ、いやこれは」
「……嘘でしょ」
裕貴先輩は分かりやすく表情を崩して慌ててる。冗談半分で言ってみたら本当だったらしい。逆にこっちがびっくりした。
森野先輩にもう告白して、しかもフラれちゃってたんですね。
「フラれて落ち込んでたから最近調子悪かったんですか?」
「お前は……直球すぎだって何度言えば」
「ここで曖昧に聞いても答えてくれなさそうだから」
「ませガキめ」
「1年違うだけです!」