per*effect:gene
「んまっ、そのおかげでキチョーな経験できたわけだけどね」
智子はへラっと笑って言ったあとで、しまった!という表情になり、俯いた。
『人妻』となってしまう私に対して、一応気遣いの気持ちがあるようだ。

カップリングをリジェクトされた智子は、一時期荒んでしまい、繁華街をうろついていた同い年の少年と身体を重ねた事があるらしい。

私には怖くてとても出来ないけど。

他にも、他校に通う男子生徒に夢中になってみたり、一応お嬢さまであるにも関わらず智子は少し軽はずみなところがある。
生活指導教師が最近注意しなくなった短いスカートも、形のいい耳の下で揺れるピアスも、街中ではしっとり馴染んでもこの教室では浮いて見える。

私にはそれが少し羨ましくある反面、軽蔑の気持ちが浮かぶこともある。

だけどその軽蔑の気持ちは自分からは何一つ動かせない自分への
もどかしさの裏返しということだって、知っている。

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