AutumnOrange。



「チッ。なんだよ、連れいんのかよ」



「あ?さっさと失せろクズ」



ちあきがそう言うと男は去っていった



「千秋、ありがとう…」



俺の女。俺の、俺の、俺の…



そう言われたことが嬉しかった



咲羅がいるとはいえ、少しだけ千秋と近づけた気がしたの。



「ごめん、さっき変なこと言ったな俺。…春樹がいるのにな…」








「あ…うん、大丈夫。助けてくれてありがとうね」



咲羅がいるはずなのに。



「いえいえ、じゃあ俺、行くな」



もう帰っちゃう。



だめだ、やっぱわたしは欲張りだ。




「うん、ありがとう。ばいばい」


でも、堪えなきゃいけない。



わたしは、春樹をすきになるんだ…


そう思いながら千秋の背中を私は見送った




この時、



咲羅がこっちをかなしそうな目でこっちを見ていたことも、



春樹が千秋を睨んでいたことも。




私は、知らなかった。





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