爆発まで残り5分となりました
男は三メートルほど離れた位置で立ち止まって、独り言のように呟いた。
「汐見颯斗くん、だね」
「……ああ」
暗くて顔は見えないが、一つだけ。分かった事があった。
「学生……だよな?」
彼が身に纏っているのは、どう見ても真っ黒な学ランだ。
気になって、俺が一歩足を進めると、彼は一歩、逃げるようにして後ろに下がった。
「ごめんね。あいにく、人嫌いなもので」
「姿ぐらいは見せてくれたっていいだろ。その背丈からして、お前、中学生か高校生じゃないのか?」
「さぁね」と軽く笑って、男───というより、男の子は続けた。
まあいい。本来の目的は、こんな事なんかじゃないんだ。