悪魔くんとナイショで同居しています




教室のドアをスライドさせると、普段と変わらない賑やかな笑い声が耳をついた。



誰もおはようだなんて言ってこない。

遅刻だね、どうしたの?すら言ってこない。



唯一言ってきてくれたのは、

「おはよう、奏ちゃん」

微妙に眼鏡がズレている次咲くんだけだ。



うん、いつもの朝だ。

なんだかホッとした。



「あ、次咲くんあのね。私、手紙を書いてきたんだ」

「え?手紙?」



スクールバッグから可愛い便箋を二つ取り出すと、それを次咲くんに手渡した。



次咲くんは便箋を色んな角度で眺めながら、

「何で手紙?何で二つも?」

さっそく中を取り出そうと、キラキラした星のシールに指をかけた。



「今は駄目っ!放課後になってから見てくれる?それと、もう一つは次咲くんが紗千に渡してくれないかな…?」

「僕が?それは……いいけど」



あぁ、良かった安心した。

紗千に自分で渡せば良かったんだけど、やっぱりそんな勇気はないから。



「ありがとう、次咲くん」

「え?うん?」



やっぱり、次咲くんと友達になれて良かったよ。




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