ガラクタ♂♀狂想曲

「騙された?」

「そんなウソ、ちょっと酷いよ」

「"おいた"の仕返し」


そして両手を高く上げ、大きく伸びをしたデンちゃん。


「もお」


だけどビックリした。朝からちょっと心臓に悪い。


「なんてね」


そう言って背中を向けたまま、すっと立ち上がったデンちゃんの後ろ姿。


「シャワー浴びてくるね」


振り向かない。


「デンちゃん」

「ん?」


振り向かない。なんだか胸がざわざわする。


「で、デンちゃんッッ」

「なに?」


あれ?
くるりと振り返ったデンちゃんは、拍子が抜けてしまうほど、いつもと変わらない表情だった。


「どうしたショコちゃん?」

「……あ、うん。バスタオルは新しいの使ってもいいよ」

「お、ラッキー」


おかしいな。私の聞き間違いだったとか。


「今朝はえらく気前がいいですね。ショコちゃん」

「でもシャワーは出しっぱなしにしないでね」

「へーい」


そしてデンちゃんはそのままバスルームへ向かい、しばらくすればシャワーの音が聞こえはじめた。

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