ガラクタ♂♀狂想曲
それから数日は日々の繰り返し。
アルバイトは週4〜5回入ることになっていた。
出勤日のほとんどオーナーと顔を合わせるけれど、ふたりで話すことはなかった。相変わらず全てのスタッフに丁寧に接しているオーナーを、私はなんとなく避けている。
かといって一緒に働いていることをデンちゃんには何も言っていない。いわば抜き差しできない綱渡りの状態だ。どこを目指しているのか、自分でもわからなくなってくる。
このまま過ごしていても、何も好転する兆しが見えないのに、いつもの悪い癖が出てダラダラと時間だけが過ぎていく。
「お疲れ様でした〜」
「おー、お疲れ様ァ」
ラストまで入っている私は、いつもさっさと私服へ着替え、まだスタッフルームで喋りこんでいるバイトや社員を残して先に店を出る。そこに大抵オーナーもいたけれど、今日はその姿がなかった。
そそくさと足早に無人のホールを抜け、がちゃりとドアを開ければ肌を突き刺すような冷たい夜風にぶるっと震える。自らの身体へ腕を巻きつけた。
「津川さん」
確かめるほどでもなく、この声はオーナーだ。振り返ってみれば、やはりそこにオーナーの姿があった。
「お疲れ様です。なんだか今日は、一段と冷えますよね」
「そうですね」
愛想笑いなんかを浮かべつつ、当たり障りのない天気の話題。ぺこりと頭を下げる。
「ではお先に失礼します。お疲れ様でした」
くるりと身を返してオーナーへ背を向け、駅のほうへ向かって足を踏み出した。が、すぐ呼び止められてしまう。
「あ、待って下さい津川さん」