ガラクタ♂♀狂想曲

「好きすぎる。なんか私、たぶんデンちゃんのこと」


思わず口にしてしまった。顔が熱い。


「………やば。それだけでイク」


だけど私の告白に、みるみる真っ赤になったデンちゃん。

それから慌てて「イクはやらしい意味で、どこか行くとかじゃないほうで」となんだかんだ長々と説明してバタバタ手を動かす。

そんな姿を見て吹き出してしまった。


「だけどショコちゃんのおかげ。俺ほんと。いろいろそう思う、なんか」

「———私、なにかしたっけ?」

「んー、多分なにも」

「なによそれ」


けれどデンちゃんは、そんな私を覗き込み頬を緩ませた。

それから、そっと撫で——。思わず息をのむ。

そんなとき、私の携帯が鳴った。


「——あ。ショコちゃん携帯鳴ってる」


確認すれば、バイトで仲良くなったノンからだった。

そんな彼女はいま桐生さんに夢中だ。最初はノンのことを毛嫌いしていた桐生さんだけれど、いまでは私がこれまで見たことない表情を見せていた。つまり振り回されている。あの桐生さんが。女子大生に。

そして来月、デンちゃんも知っている八木さんが結婚する。八木さんは当時店長を務めていたけれど、元ホストだということはデンちゃんがいなくなったあとに知った。

再婚の元サヤ婚というもあり、店を貸切にし身内だけで誕生日を兼ねたパーティーをすることになっている。ノンはその前にデンちゃんに会わせろとうるさい。

それを報告しようとしたら、どうやらデンちゃんもノンに会ったことがあるらしい。そのとき八木さんとノンは探偵ごっこ中だったそうだ。少し申し訳なさそうに、だけど楽しそうに肩を揺らせた。

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