ガラクタ♂♀狂想曲

そして果物屋さんに並んでた苺と、ケーキ屋さんでプリンを買う。ふたたびテクテク歩き出した。

私の実家は都心から少し離れているけれど駅から5分。予定より早く着いてしまったので、買い物がてら少し遠回りしながら歩いた。


「そういや、弟くんの名前なに?」

「よしかず」

「どんな字?」

「えーなんで」

「俺たちに子どもができたときのために?」

「大吉の吉と平和の和で、吉和だよ」


公園に立ち寄り、砂場で遊ぶ子どもたちを眺めつつベンチにならんで座る私たち。

天気はよくて、風もサラサラしているし、暑くもなく、寒くもなく、気持ちのいい日。

すると突然デンちゃんが叫ぶ。


「あーーーーーーっ!」

「なに!?」


忘れ物?


「ショコちゃんの祥とヨッシーの吉、並び替えたら吉祥!」


ああ、そうだ。
そういえばそんな話を幼いころに聞いたことがある。なのに私は、そんな両親の期待に沿うことなく暮らしてしまい、なんだか申し訳ない気持ちになってきた。


「すごい!愛されてるねショコちゃん!」

「——なんでデンちゃんがそんなに嬉しそうなの?」

「だって吉祥って、めでたい兆しって意味だよ? ショコちゃんこそしっかり? これはヨッシーとショコちゃん並べて、拝ませてもらわねばならない」

「やだー」


それからデンちゃんは、すっと黙り込んだ。そして私の手を取る。


「どうしたの?」

「ずっと一緒にいようねショコちゃん。俺がいないとき、浮気しないでよ」

「——しないよ」


デンちゃんに桐生さんと過ごした日々のことを、きちんと説明するべきなのかどうなのか。ずっと判断しかねていた私。いったほうがいいよね。

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