ガラクタ♂♀狂想曲

「とにかく!なにが好き? パパさんとママさん」

「んー…、弟はプリンが好きだったと思うよ」

「え! ショコちゃん弟いるの!」

「あれ? 言ってなかったっけ?」

「ええええ?」


だから年下なんて最初はありえないと思っていたわけで。

デンちゃんのひとつ下だけど学年でいえばふたつ下で、いま大学3回生。私は大学に入ったら一人暮らしをしたけれど、弟は実家にいた。


「ショコちゃんのおとうと…!」

「なに?」

「ぜったい可愛い」

「いや、デンちゃんと年そんな変わらないからね?」

「えー楽しみ!」

「また人見知り発揮しちゃう?」

「いや、それは大丈夫。俺むこうでさ、ストリートパフォーマーやってから、そういうのあんまなくなったんだよね。そういや、こないだ安藤に会ったんだけど、って、覚えてる? 安藤。ほら目がこんなでさ、髪がグリグリでって、それはいまか」


すこし緊張しているのか、絶え間なく口を開くデンちゃん。


「安藤くん、覚えてるよ」

「なんで覚えてんのさ」

「—ーちょっと意味わからないんだけど」

「ショコちゃんは男の顔覚えたら、だーめ」

「もー」


繋いだ手をプラプラ揺らす私たち。


「でさ、その安藤が、俺のこと変わったっていうんだよね。俺、最近それいわれるたび嬉しくてさ。ショコちゃん思い出しちゃって、あーはやく会いたいなあ、ぎゅうううううっとしたいなあ、て思う。だからショコちゃんは、いますぐ安藤の顔を忘れなさい」

「なに言ってんのもー」

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