ガラクタ♂♀狂想曲
「不思議だ」
普通に暮らしていても、世の中にはどこにでも謎が転がっているものなんだね。まあ、七不思議って言葉があるぐらいだしね。
ヘンに納得したところで、デンちゃんの声が耳に入り込んできた。ただ私のほうへ顔を向けただけだけれど。
「そ。いま起きたとこ。だけど大丈夫。すぐ出られる」
そう言って私に向かってピースサインを作ったデンちゃん。
ただいまハヤトのデンちゃんは、窓から差し込む太陽の光を全身に受け、体毛がキラキラ眩しいほど光っております。
そして私は手に持った温い麦くさい液体を一気に飲み干し、それをコンビニの袋へ突っ込んだ。一気に現実へ引き戻された気分なのに、すっきりゴミを纏め終わって鏡の前に立てば、また——。首筋にもひとつ。
それは私からは見えない場所だっただけれど、しっかりと残っている。
「んー…」
どれどれとばかりに鏡へ顔を近づけ、亀のように首を伸ばしてじっくり観察——。
「ショコちゃん」
「——!!?」
声を出すより吸い込んでしまった私の口から、ヘンな音が出た。そして後ろから私の肩に顎を乗せたデンちゃんと、鏡の中で目が合う。