お説教から始まる恋~キミとの距離は縦2メートル~
一本路地に入り、突き当たりに我が家が見えてきた。
黒っぽく薄汚れ、ところどころひび割れた壁も、なんだか今日は愛おしく見える。
近づくと、下の部屋のベランダの手すりに、薄手のタオルケットが干してあるのが見えた。
洗濯が終わったのだろう。
それにしても、やっぱりそこに干すのか。
このアパートは奥まったところにあるから不特定多数の通行人はいないが、2階に住んでいる住人や、荷物を届けに来る宅配員は、階段を使うために必ずベランダの前を通る。
隣の家や向かいの家からも丸見えだが、気にならないのか、しょうがないと諦めているのか…。
そんなことを思いながらベランダに一番近づいたところで、レースのカーテンがさっと開いた。
干し終わったと思しき洗濯物を両手に提げた、眼鏡の男性と目が合う。
咄嗟に挨拶でもと息を吸ったが、予想外なことに、舌打ちでもしかねない雰囲気でジロリと睨まれた、…ような気がした。
…どうしよう。
目が合ったのに、こんなに近くにいるのに、何も言わないで通りすぎるのは感じが悪いだろうか。
男性はベランダにおりて、洗濯物を干し始めている。
動きがキビキビしているというか、どこか荒っぽいというか。
年齢はおそらく30代前半だろう。
真面目そうだが、フレームのないシンプルな眼鏡の印象も手伝って、気難しそうな印象だ。
…というか、何かイライラしているのかもしれない。
百歩譲って睨まれたのはこちらの勘違いだとしても、向こうも何も挨拶してこなかったんだし、お互い様よね…?
何も言わずに階段を上がることにした。
怖い人だったら嫌だし…あまり関わらないでおこう。
黒っぽく薄汚れ、ところどころひび割れた壁も、なんだか今日は愛おしく見える。
近づくと、下の部屋のベランダの手すりに、薄手のタオルケットが干してあるのが見えた。
洗濯が終わったのだろう。
それにしても、やっぱりそこに干すのか。
このアパートは奥まったところにあるから不特定多数の通行人はいないが、2階に住んでいる住人や、荷物を届けに来る宅配員は、階段を使うために必ずベランダの前を通る。
隣の家や向かいの家からも丸見えだが、気にならないのか、しょうがないと諦めているのか…。
そんなことを思いながらベランダに一番近づいたところで、レースのカーテンがさっと開いた。
干し終わったと思しき洗濯物を両手に提げた、眼鏡の男性と目が合う。
咄嗟に挨拶でもと息を吸ったが、予想外なことに、舌打ちでもしかねない雰囲気でジロリと睨まれた、…ような気がした。
…どうしよう。
目が合ったのに、こんなに近くにいるのに、何も言わないで通りすぎるのは感じが悪いだろうか。
男性はベランダにおりて、洗濯物を干し始めている。
動きがキビキビしているというか、どこか荒っぽいというか。
年齢はおそらく30代前半だろう。
真面目そうだが、フレームのないシンプルな眼鏡の印象も手伝って、気難しそうな印象だ。
…というか、何かイライラしているのかもしれない。
百歩譲って睨まれたのはこちらの勘違いだとしても、向こうも何も挨拶してこなかったんだし、お互い様よね…?
何も言わずに階段を上がることにした。
怖い人だったら嫌だし…あまり関わらないでおこう。