例えば危ない橋だったとして
……誰?この人。
本当に“完璧星人の黒澤くん”?
「そ……そうですか……。わたしこそ、ごめん……」
反射的にわたしまで貰い照れして、顔が真っ赤に染まってしまった。
彼が恥ずかしそうに咳払いする。
「……まぁ……前から俺、こそこそすんの嫌だって言ってたろ? 何か言われたら俺がフォローするから、教えてよ」
皐が横目でわたしに気まずそうな視線を送った。
「うん……」
わたしは自分で責めておきながら、あっという間に心境が変化したことを感じ取っていた。
どうしよう……この人のこと、愛おしいかも──
「それより今のタイミングで、2人で消えたことの方がまずいと思うけど」
皐の予想通り、席へ戻ると岩井さんを筆頭に、皆がわたし達の祝福ムードで盛り上がっていた。
「大丈夫! 薄々気付いてたからー」
「おめでとう~お幸せに~」
以前から感じてはいたが、わたしの他にふたり居るこの部署の数少ない女性陣は黒澤くんを狙ってはいなかったらしい。
恥ずかしくて死にそうだったけれど、心の底では嬉しかった。