例えば危ない橋だったとして
しかしやはり皆の目が気になり、仕事中はなるべく事務的に皐と接した。
そんな1週間が過ぎ、初めて土曜日の夜に待ち合わせた。
今回はお泊りして、翌日そのままデートに出掛ける約束をしていた。
久しぶりに見る私服姿の皐は、目も眩みそうなくらい格好良かった。
フードのないミリタリーコート、シャツにカーディガン、ジーンズに足元はスエードの靴。
コーディネートそのものは有りふれているが、細かい部分にセンスが伺い知れ、お洒落だと思った。
彼はわたしの、ニットワンピースにミディアム丈のブーツ、ボアの付いたショートコートという出で立ちを眺め、率直に感想を述べた。
「可愛い」
照れ顔を悟られないようにか否か、笑顔は見せずわたしの手を取った。
「……皐はかっこいいよ」
懸命に返すと、返事の代わりに握った手に力が込められた。