例えば危ない橋だったとして
そんな時間の中、わたしは知らなかった自分に直面することとなる。
長い間悩んでいると、思い詰めてくるのだ。
このまま別れることになったらどうしよう
嫌いになられたらどうしよう
心の奥に入り込み、帰って来れない感覚。足元をすくわれるような──
彼は、わたしのそんな気質を許してはくれなかった。
「いつまでそうしてるわけ? 機嫌直せよ」
初めは様子を伺ってくれていた彼も、次第に声を荒げるのだった。
わたしは機嫌の直し方がわからず、会うともろに態度に出てしまい、益々彼の機嫌を損ねるという悪循環に陥っていた。
しかし彼は時折、上機嫌で接してくれ、その間は笑い合うことが出来た。
今思えば、就活の状況で気分が左右されていたのだろう。