例えば危ない橋だったとして

そんな時間の中、わたしは知らなかった自分に直面することとなる。


長い間悩んでいると、思い詰めてくるのだ。

このまま別れることになったらどうしよう
嫌いになられたらどうしよう

心の奥に入り込み、帰って来れない感覚。足元をすくわれるような──


彼は、わたしのそんな気質を許してはくれなかった。

「いつまでそうしてるわけ? 機嫌直せよ」

初めは様子を伺ってくれていた彼も、次第に声を荒げるのだった。

わたしは機嫌の直し方がわからず、会うともろに態度に出てしまい、益々彼の機嫌を損ねるという悪循環に陥っていた。

しかし彼は時折、上機嫌で接してくれ、その間は笑い合うことが出来た。
今思えば、就活の状況で気分が左右されていたのだろう。

< 17 / 214 >

この作品をシェア

pagetop