例えば危ない橋だったとして

鼓動が大きく打って、胸が震えるような緊張を持っている。
背中に感じる皐の温もりが、愛おしくて、泣きそうだ。

身体の前に回された皐の腕を掴んだ。
皐の顔へ目線を向けると、彼も愛おしそうな瞳でわたしを見つめる。

自然に顔が近付き、重なった唇から、チョコレートの香りがふわっと広がった。

次第に深くなるキスに、頭が沸騰しそう。
……何か、こんなに幸せで良いのかなぁ……。夢見てるみたいだ。

いつの間にかベッドに倒れ込み、お互いの感触に溺れている。
彼の頭にしがみつき、髪を掻き乱しながら、甘い溜息が漏れる。

「……皐、好き……」
「……うん、俺も」

ずっとこんな幸せが続いていけば良い……。
頭を掠めながら、気が遠のいて行きそうで、彼の背中にきつく腕を回した。

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