好きが涙に変わって溢れてく。

――――もしも。


もしも時間を戻すことが出来るとしたら、私は迷わずあなたと出逢う前に戻る。


笑顔も、声も、何も知らなかった時に。



言葉を交わすことも、視線を交わすことも何もなくお互いに透明人間。



“あんな子いたっけ?”“あんな人いた?”と、お互いに思うくらいの関係になる為に。


もっと頑張るわけじゃない。ただあなたの存在を、私の頭から消すために。



そうしたらきっと私は今ごろ……違う人を好きになってたかな?


それとも友達と遊ぶことばっかりに集中して、彼氏なんて全く興味なかったりしてたかな?



どっちでもいい。

今以上の苦しみじゃないのなら、どんなことでもいい。



だから、誰かお願いします。


どうか私の頭の中から、彼の記憶を全て消し去って下さい。


この苦しみから解放させて下さい。



零れる涙を、止めて下さい――……

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