少年と少女 ~出会い~
「数年したら結構稼げるようになるだろうよ。ちゃんと金は送ってこいよ。」

「自分の心配ばっかかよ!誰が送るかクソジジー!」

私は叫んで家を飛び出した。

父親の制止も振り切って。


行くとこなんてないけど、走って走って、出来るだけ遠くに行きたかった…

色町に行くとしても今日は嫌だ…

どう走ったか分からないくらい走って、気付けば普段は足を踏み込まない荒れ果てたビル街まで来ていた。

ここは内戦で出来た街。



2124年、今から30年前…

先進国だったこの国に内乱が起こり、瞬く間に各地に広がって行った。

数年後内乱は沈静化されたけど、残されたのは腐敗した街と広がった貧富の差。

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