青年と遊女 ~再会~
「いて!」

俺の眉間に何か硬いモノが当たった。

地面を見ると、そこには華やかな紅い扇子が落ちている。

拾い上げ、どこから飛んできたのかと辺りを見回すと、俺を中心に異様な雰囲気が広がり始めた。

先ほどまで騒がしかった男達は静まり、明らかに俺を見ている。

「に、兄さん!早く行きなよ!」

先ほどの男が幽霊でも見るかのように俺を見て急かす。

「何が?」

「そ、その扇子!"誘い"だよ!」

誘いって、色町の女が客を引くときにやるあれか?

業と自分の物を落としたり当てたりして、自分の所に持ってこさせ客を誘うっていう…

誰が俺に…

手の中の扇子から暗小屋の店先に視線を移すと…

柵の前に…

微笑むジョゼフィーヌが立っていた。
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