青年と遊女 ~再会~
徐に開くと、裏に文字が…

『話がしたい。』

「あの…」

その男は、ただ頷いて裏路地に入って行った。

その後を付いていく。

そして着いたのはあの暗小屋の丁度裏の川辺だった。

「ここでお待ちを。」

「あっ、ちょっ…」

詳しいことを聞きたくて男を引き留めようとしたが、既に男の姿は消えていた。

「お兄~さん。」


後ろから声がして振り返るが…
誰もいない…


「こっち、こっち!」

と、声を追うと、川辺の木の影にあの時の少女がいた。

影から現れ月明かりに照らされたその顔は、店先で見た妖艶な微笑みを浮かべるジョゼフィーヌとは似ても似つかない、あの時出会った少女だった。


「俺が助けた幸運な奴。」


「やっぱり、覚えててくれたんだ。」




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